【Android】Kotlin でモダンな concurrency その4

Channel を使ってコールバック不要に

Channel の定義 (JetBrains のドキュメントより):

Channel は、概念的に BlockingQueue とよく似ています。主な違いの一つは、Put の代わりに「送信中断」をを持ち、Take の代わりに「受信中断」を持つことです。

Blocking Queues

Actor

Channel をシンプルに使えるツールが Actor です。

Actor は Handler と非常によく似ており、コルーチンのコンテキスト(つまり、アクションを実行するスレッド)を定義し、シーケンシャルに実行します。

コルーチンを使っており、キャパシティを決めて実行を中断することができます。

Actor は基本的に、処理をコルーチンチャンネルに転送します。実行順序と実行するコンテキストを限定することを保証します。

これで、synchronize は不要となり、すべてのスレッドはフリーです。


protected val updateActor by lazy {
  actor<Update>(UI, capacity = Channel.UNLIMITED) {
    for (update in channel) when (update) {
      Refresh -> updateList()
        is Filter -> filter.filter(update.query)
        is MediaUpdate -> updateItems(update.mediaList as List<T>)
        is MediaAddition -> addMedia(update.media as T)
        is MediaListAddition -> addMedia(update.mediaList as List<T>)
        is MediaRemoval -> removeMedia(update.media as T)
    }
  }
}

// 使い方
suspend fun filter(query: String?) = updateActor.offer(Filter(query))

この例では、実行するアクションを選択する際、sealed クラスを利用しています。


sealed class Update
object Refresh : Update()
class Filter(val query: String?) : Update()
class MediaAddition(val media: Media) : Update()

すべてのアクションはキューとなり、決してパラレルには実行されません。mutable なものを密閉するにはいい方法です。

(つづく)

【Android】Kotlin でモダンな concurrency その1
【Android】Kotlin でモダンな concurrency その2
【Android】Kotlin でモダンな concurrency その3


【Android】Kotlin でモダンな concurrency その3

Coroutine コンテキスト

Coroutine コンテキストでは、そのコードをどのスレッドで実行するか、exception がスローされたときの処理の方法、キャンセルを伝える親のコンテキストを定義します。


val job = Job()
val exceptionHandler = CoroutineExceptionHandler {
    coroutineContext, throwable -> whatever(throwable)
}

launch(CommonPool+exceptionHandler, parent = job) { ... }

job.cancel() は、それの保持しているすべての coroutine をキャンセルします。
そして exceptionHandler は、それらの中でスローされたすべて Exception を受け取ります。

(つづく)

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【Android】Kotlin でモダンな concurrency その2


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【Android】Kotlin でモダンな concurrency その2

Dispatch

Dispatch は coroutine のキーとなる概念で、スレッド間を移動するアクションとなります。

現在の Java でいう runOnUiThread と等価です。


public final void runOnUiThread(Runnable action) {
  if (Thread.currentThread() != mUiThread) {
    mHandler.post(action);
  } else {
    action.run();
  }
}

Kotlin Android でのUIコンテキストは、Handlerをベースとして dispatcher が実装されています、

以下のように使います。


launch(UI) { ... }

launch(UI, CoroutineStart.UNDISPATCHED) { ... }

launch(UI) では、Handler 内の Runnable に postされますので直接実行されません。

それに対して、launch(UI, CoroutineStart.UNDISPATCHED) は、そのスレッドですぐにラムダ部分を実行します。

UI は、メインスレッドが resume されたとき、coroutine がそれに対して dispatch されるのを保証しており、 メインルーパーに post するというネイティブAndroidの Handler が使われています。


val UI = HandlerContext(Handler(Looper.getMainLooper()), "UI")

(つづく)

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