Architecture Blueprints の非同期処理実装にみる Android SDK の方向性

MVP、MVVM、Clean Architecture、Dagger2、Data Binding、Archtecture Components などいろいろな組み合わせの実装例が ToDoアプリにて公開されています。

googlesamples/android-architecture: A collection of samples to discuss and showcase different architectural tools and patterns for Android apps.

非同期処理部分を見てみると現在はすべて(todo-mvp-rxjavaを除く)が以下の実装となり、非同期処理の主役であった AsyncTask/Loader API を利用した記述は消え去っています。

まず、java.util.concurrent.Executor(s) を使って、AppExecutors を作っておいて、


open class AppExecutors constructor(
    val diskIO: Executor = DiskIOThreadExecutor(),
    val networkIO: Executor = Executors.newFixedThreadPool(THREAD_COUNT),
    val mainThread: Executor = MainThreadExecutor()
) {

  private class MainThreadExecutor : Executor {

    private val mainThreadHandler = Handler(Looper.getMainLooper())

    override fun execute(command: Runnable) {
      mainThreadHandler.post(command)
    }
  }
}

AppExecutors.kt

それに対応するデータベースやストレージ向けのExecutorを作ります。


class DiskIOThreadExecutor : Executor {

  private val diskIO = Executors.newSingleThreadExecutor()

  override fun execute(command: Runnable) { diskIO.execute(command) }
}

DiskIOThreadExecutor.kt

これらを使って以下のようにして非同期処理を実装します。


appExecutors.diskIO.execute {

  // IOスレッドで実行する
  // ...

  appExecutors.mainThread.execute {

    // メインスレッドで実行する
    // ...

  }

}

実装例では、コールバックを使ってPresenterまで伝達しています。


override fun getTasks(callback: TasksDataSource.LoadTasksCallback) {

  appExecutors.diskIO.execute {

    // IOスレッドで実行する
    val tasks = tasksDao.getTasks()

    appExecutors.mainThread.execute {

      // メインスレッドで実行する
      if (tasks.isEmpty()) {
        callback.onDataNotAvailable()
      } else {
        callback.onTasksLoaded(tasks)
      }

    }

  }
}

TasksLocalDataSource.kt

AsyncTask/Loader APIs の排除の方向性は、「Deprecated(廃止予定) samples」に移動されたブランチからも認識できます。

googlesamples/android-architecture: A collection of samples to discuss and showcase different architectural tools and patterns for Android apps.

この流れについては、droidcon NYC 2017 - Android Architecture Round Table でも、話が挙がっていました。

it looks like Google is abandoning old API is like loaders and recommending patterns there are much less coupled with the framework, which is good but what happens with these API is are we abundant in then and I'm talking about classes like sync adapters loader async tasks etc

Google はLoaderのような古いAPI や フレームワークと関係の薄いパターンを推奨することをやめているように見えます。 それはいいことですが、それら古いAPIを捨てることは何を引き起こすか、AsyncAdapter や Loaderなどについて話したいと思います。

今後の、Android SDKは、フレームワークを意識したAPIが増えていくのでしょう。


Play Store の Google 取り分が30%から15%へ 2018年1月から

以前から噂はありました.

2016年6月9日

Recodeが伝えたところによると、Googleもまた新たな利益配分モデルを導入し、月額課金アプリでGoogleが吸い上げる割合を15%に削減する計画があるとのこと。しかもアップルは15%の適用を月額課金アプリの、しかも2年目以降からに限定するのに対して、Googleは1年目からこの利益配分を適用するとしています。

ただ、Recodeはこの新しい利益配分がいつから適用になるのかはまだわからないとしています。

GoogleもAndroidの月額課金アプリ取り分を15%に引き下げるという噂。しかも1年目から対象の可能性 - Engadget 日本版

ついに来年からのようです.

Now, Google is doing the same. Similar to Apple’s approach, an Android developer selling a subscription service will be eligible for the cut so long as the customer in question has been subscribed for more than a year. The company plans to put it into effect starting January 2018.

今回 Googleは同様のことをする予定です。アップルのアプローチと同様に、サブスクリプションサービスを販売しているAndroidデベロッパーは、問題の顧客が1年以上契約している限り、そのカットを受けることができます。同社は、2018年1月から施行する予定です。

Google matches Apple by reducing Play Store fee for Android app subscriptions - The Verge

英語ページでは公式でも追記されています.

Appleと同様に2年目からの定期課金加入者のみのようです.

Note about subscription payments: Starting January 1, 2018, the transaction fee for any subscribers you retain after 12 paid months will be 15% (instead of 30%).

Transaction fees - Play Console Help

なぜか日本語ページではまだ記述がありません.

取引手数料 - Play Console ヘルプ

もしすると, 日本はまだ先になるのかもしれませんが開発者にとってはいい話でしょう.


「Realm Report」にみるモバイル開発のトレンド

Realm Report Q4 2017

モバイル開発者が利用している言語は?

モダンな言語に移行が進んでいる

今現在, モバイルプラットフォームでは7つの主要言語がありますが割合は急速に変化しています. iOS開発者においては, Swift が登場しましたが, 今では Objective-C を超えています.

Androidでは, Javaがピークに達しており Kotlin のAndroidプラットフォーム獲得が進んでいます.

 

世界で一番モバイル開発の進んでいるのは?

優秀な開発者はどこにでもいる

Realm を利用した開発者は基本的なデフォルトの選択を超えており, 193カ国からコードがプッシュされていますが, 上位10カ国は世界中に均等に分布しています.

現在, 開発者が注目している技術やプラットフォームの興味深い違いをこの分析に見ることができます.

 

iOSは西欧を拠点としている

西欧の開発者は iOS 11 beta にすばやく注目しており, 全開発者の10%以上が, ドイツとアメリカにおいて iOS11beta を利用しています.

 

西欧の開発者は iOS の新技術に素早く対応している

西欧諸国の開発者は新しい Realm の iOS バージョンに非常に早くアップグレードしています.

 

西欧の開発者はiOS8のような古いバージョンは素早く切り捨てています

新しい技術に対応することは, 古いバージョンやデバイスのサポートをやめることになることになることがあります. 西欧諸国では, そのトレードオフのほうを好んでいます,

 

iOSに関しては, ドイツとアメリカが常に上位 (イギリスが3位)

iOS11対応やRealm対応, 古いiOSバージョンを切り捨てるスピードでは3カ国の開発者は他を圧倒しています. イギリスは開発者数では12番目ですが, 対応の速さでは常にドイツとアメリカに続いています.

 

Androidではアジアがリードしている

iOS では, アプリビルド数ではアメリカが上位ですが, Android Oreo 対応では低迷しており, ロシアや日本が上位となっています.

 

Android版Realmの対応割合の上位ははっきりしない

Android版Realmの対応状況はアジア諸国の開発者は新技術を追うことに対してより保守的であることを示しています.

 

Kotlin 対応はアメリカがさらに加速していくかも知れない

Android に Kotlin が新しい風を起こしており, アメリカ開発者のプラットフォームの将来を動かすかもしれない.

 

モバイル開発全体ではドイツが明快にトップ

ドイツのモバイル開発が両プラットフォームでのトップで Android とiOS の新バージョンや技術の対応も最も素早い.

 

Kotlin が今 Android 生態系を変えようとしている

Google I/O 2017 以降, Kotlin の割合は劇的に世界中で増加しています.

 

まとめ?

iPhoneXは4Kテレビと同じにおいを感じるんですよ。「技術としてスゴい」ことと「便利」なことって似ているようで違いますよね。んで、iPhoneXは、技術を追求するために便利さを捨てている気がするんですよ。

ホリエモン×ひろゆきが分析するiPhoneXの新機能「技術を追求するために便利さを捨てている」 - IT・テクノロジー - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]

アジアでありながら西欧諸国のようにiPhoneの販売台数割合は大きい日本ですが, 今後, 「古いOSやデバイスを考慮しない」という考え方でそれらを切り捨てていくという西欧スタイルの考え方は今後もさらに浸透していくのでしょうか.

そして, 新しい技術への対応や古いOSを切り捨てることに対してのより保守的なアジアスタイルの考え方はやは今後も縮小していくのでしょうか.

Realm Report Q4 2017