ViewModel を捨てて マルチプラットフォーム に備える

AAC ViewModel

どの Compose バージョンでもシームレスに動作するマルチプラットフォーム ViewModel のようなものをお考えでしょうか?

AAC ViewModel は Android 用の雑なもので、悪いパターンを増殖させる理由はないと思います。データレイヤーが適切に設計されていれば、AAC ViewModel を使う必要がないことに気づくはずです。

しかし、おそらく一番良いのは、アプリが本物のデータ層(キャッシュ、ネットワーク層など)を持つことです。 ViewModel はデータレイヤーを参照するかもしれませんが、ViewModel 自身はすべてのインタラクションを直接処理するべきではなく、プラットフォームに依存しないデータレイヤーがそれを行うべきです。

@JimSproch
Senior software engineer at Google. Progenitor of Jetpack Compose (May 2017). Now working on giving Compose its next-generation super-power.

👉 Jim Sproch(@JimSproch)さん / Twitter hatena-bookmark

クラッジ kludge
その場しのぎに間に合わせで採る安易な方法。またそうした問題回避。特にコンピューターのプログラミングやシステム構築で,とりあえず動くが不調和な組み合わせを持ったその場しのぎのもの。

AAC ViewModel の件、全く同感です。AAC ViewModel を不要にするような形で Compose が考案されたことは喜ばしいことです。
しかし、Compose の成功のためには、マルチプラットフォームのアーキテクチャパターンをいくつか考え出すことが本当に重要だと思います。

印刷して額に入れよう。

あとは、独占しているコンフィグ不要のしくみを取り除いて、人々に返すだけです。
👉 android:configChanges - Android デベロッパー  |  Android Developers hatena-bookmark

「なぜ?」と思われる方のために、もう少し詳しく説明します。

AndroidのViewModelは不要、その理由は?
ViewModel は Android アプリケーションで最も人気のある構成要素の一つですが、私は自分のプロジェクトでは使っていません。Android 開発者の中には、特に「ViewModel 時代」にキャリアをスタートさせた人にとっては、これはクレイジーに聞こえるかもしれません。

最初の導入時、ViewModel は素晴らしかったのですが、今は Navigation Component があり、それを異なる場所に配置しなければならないので、少し混乱しています。しかし、赤ん坊を風呂の水と一緒に捨てるわけにはいかないと思います。

私達は、これらのライブラリはどちらも使用しません。

throw the baby out with the bath water

意味・対訳
大事なものを無用なものといっしょに捨てる

では、AAC ViewModel の優れた代替手段は何ですか?

必要ない、というのが元のツイートのポイントです。ドメインに特化したデータレイヤーが欲しいなら、画面に特化したプレゼンターとレンダーレイヤーを用意すれば良いです。Compose UI やクラシックビューでやればいい。AAC ViewModelは常に奇妙なボルトオンのソリューションでした。

いくつかのプロジェクトをKMMに移行したいのですが、AAC ViewModel を捨てれば、おそらく作業はよりシンプルになると思います。

👉 Android ViewModel が不要である理由 hatena-bookmark
👉 【MVVM】 Kotlin Flow で使える5つの利用パターン hatena-bookmark


Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その5 - run

kotlin scope function

 

■ run の便利な使い方 (公式)


public inline fun <T, R> T.run(block: T.() -> R): R {
  contract {...}
  return block()
}

Like let, run is another scoping function from the standard library. Basically, it does the same: executes a code block and returns its result. The difference is that inside run the object is accessed by this. This is useful when you want to call the object's methods rather than pass it as an argument.

let と同様、run も標準ライブラリのスコープ関数です。基本的には、コードブロックを実行し、その結果を返すという点では同じです。違いは、runの内部でオブジェクトにアクセスするのがthisであることです。これは、オブジェクトを引数として渡すのではなく、そのオブジェクトのメソッドを呼び出したい場合に便利です。

Object configuration and computing the result

オブジェクトの構成と結果の算出


val service = MultiportService("https://example.kotlinlang.org", 80)
val result = service.run {
  port = 8080
  query(prepareRequest() + " to port $port")
}

 

■ 非拡張 run

上記の T.run(): R と違って非拡張関数の run もあります。


public inline fun <R> run(block: () -> R): R {
  contract {...}
  return block()
}

Running statements where an expression is required

式が必要な記述の実行

If-not-null-else shorthand

if-not-null-elseの略記法


val files = File("Test").listFiles()

println(files?.size ?: "empty") 

val filesSize = files?.size ?: run {
  // ...
}
println(filesSize)

?.let と組み合わせての利用が多いです。


navigationCommand.route?.let {
  popBackStack(it, false)
} ?: run {
  navigateUp()
}

プロパティでの実行。


private val isConversionAvailable: Boolean = run {
  val expressionType = element.analyze(BodyResolveMode.PARTIAL).getType(element)
  expressionType != null && expressionType != type &&
    expressionType.isSignedOrUnsignedNumberType() && type.isSignedOrUnsignedNumberType()
}

👉 Kotlin Examples: Learn Kotlin Programming By Example hatena-bookmark
👉 Scope functions | Kotlin hatena-bookmark
👉 Idioms | Kotlin hatena-bookmark

 

■ まとめ

「run」は「ブロック内を実行する」という意味合いが強いので、直感的に「let」と使い分けてもいいかもしれません。

👉 Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その1 - apply hatena-bookmark
👉 Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その2 - also hatena-bookmark
👉 Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その3 - with hatena-bookmark
👉 Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その4 - let hatena-bookmark
👉 Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その5 - run hatena-bookmark


Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その4 - let

kotlin scope function

 

■ let の便利な使い方 (公式)


public inline fun <T, R> T.let(block: (T) -> R): R {
  contract {...}
  return block(this)
}

The Kotlin standard library function let can be used for scoping and null-checks. When called on an object, let executes the given block of code and returns the result of its last expression. The object is accessible inside the block by the reference it (by default) or a custom name.

Kotlinの標準ライブラリ関数 let は、スコープや NULL チェックに使用することができます。オブジェクト上で呼び出されると、let は与えられたコードブロックを実行
し、その最後の式の結果を返します。オブジェクトはブロック内で参照 it (デフォルト) またはカスタム名でアクセスできます。

Executing a lambda on non-null objects

NULLでないオブジェクトに対してラムダを実行する

Introducing an expression as a variable in local scope

ローカルスコープでの変数としての式の導入

Execute if not null

nullでない場合は実行


val value = ...

value?.let {
    ... // execute this block if not null
}

Map nullable value if not null

nullでない場合、nullableな値をマップする


val value = ...

val mapped = value?.let { transformValue(it) } ?: defaultValue
// defaultValue is returned if the value or the transform result is null.

👉 Kotlin Examples: Learn Kotlin Programming By Example hatena-bookmark
👉 Scope functions | Kotlin hatena-bookmark
👉 Idioms | Kotlin hatena-bookmark

 

■ まとめ

公式では、「let」は「null を避けてのブロック内処理」に使うことを推しています。

let 自体が不要な場合は、AndroidStudio や IDE が知らせてくれます。

👉 Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その1 - apply hatena-bookmark
👉 Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その2 - also hatena-bookmark
👉 Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その3 - with hatena-bookmark
👉 Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その4 - let hatena-bookmark
👉 Kotlin スコープ関数 の上手な使い分け その5 - run hatena-bookmark