クリップボードにコピーしているテキストのコードポイントや Unicode/UTF-16 エスケープシーケンスを確認するスクリプト

クリップボードにコピーした以下のような文字

の構成とIDEで使いやすいエスケープシーケーンスを確認します。

Python や Android Studio エディター上で絵文字の編集が捗ると思って作ってみました。

クリップボードは生の絵文字データを保持できるので便利です。

UTF-16 サロゲートペア部分はもっと厳密に計算してもいいかもしれません。



【Kotlin】絵文字を含む Unicode 文字列の文字数をカウントする方法と文字ごとの構成要素

絵文字 は AndroidStudio 上で扱いづらいですよね。

例えば、


"😀😍"

という2つの絵文字は、


"\uD83E\uDD78" + "\uD83D\uDC3B\u200D\u2744\uFE0F"

と書く方が編集しやすいです。(しかし分かりづらい。)

絵文字をコピーして Android Studio 上でペーストすると、

\uXXXX\uXXXX

のような「UTF-16 エスケープシーケンス」に置き換わりますよね。

(しかし置き換わらない場合もある。)

👉 Python vs Kotlin Unicode Escape Sequence (エスケープシーケンス) の記述 hatena-bookmark

 

😀 文字を数える

検証するために文字列データを作ります。

絵文字も新旧バージョンのものを含めます。

15文字です。

比較的に新しい Unicode Emoji 15.1 の2つの絵文字は、今現在、まともに見たことがありません。

このデータの文字数をカウントするのは、


println(Regex("\\X").findAll(data).count())
// 15

というかんじでしょうか。

Unicode extended grapheme clusters are supported by the grapheme cluster matcher \X.

👉 2.2 Extended Grapheme Clusters and Character Classes with Strings hatena-bookmark
👉 Unicord support - Pattern  |  Android Developers hatena-bookmark

強く開発環境に影響されると思いますので、各バージョン安定版最新に更新して揃えておくべきでしょう。


android {
  // ...
  compileOptions {
    sourceCompatibility JavaVersion.VERSION_17
    targetCompatibility JavaVersion.VERSION_17
  }

  kotlinOptions {
    jvmTarget = JavaVersion.VERSION_17.toString()
  }
}

 

😀 文字の構成(要素)を確認する

人間が見ている文字は内部的には複数の要素から構成されています。

絵文字周りで開発している方にはどこかで見たようなすごく便利な表です。

文字列を渡せば簡単に確認できるようにメソッドにしておきます。

先ほどの1文字ごとに分割したあとにその内部を要素に分割して表示します。

data は、先述の15文字を使ってみました。


dump(data)

AndroidStudio のデバッグウィンドウやターミナルでも表示できない絵文字はありますが、内部的には問題なく処理できてるように見えます。

 

😀 まとめ

今回、新しくはっきり認識できたことは、

kotlin の String.length は、


その文字(列)の Char (/uXXXX) の数を表している。

ということ。コードポイントの数ではない。

Char は、コードポイントを 内部的な UTF-16サロゲートペア 分割されたあとの要素。


println("👩‍👧‍👦".length)
// 8

👉 kotlin/Char.kt at 924c28507067cbfbf78a6509ea89eabe496e34ca · JetBrains/kotlin · GitHub hatena-bookmark



👉 絵文字が意図しない白黒で表示される ➡️ - Unicode Variation Selector hatena-bookmark


【Unicode】UTF-16 サロゲートぺア と コードポイント の変換

UTF-16 は、Unicode の文字をコードポイントと呼ばれる整数値で表現するエンコーディング方式です。UTF-16 では、一部のUnicode 文字は16ビットでは表現できないため、サロゲートペアと呼ばれる特殊な方法で符号化されます。

サロゲートペアは、2つの16ビットの値(上位サロゲートと下位サロゲート)を組み合わせて1つの Unicode 文字を表現します。上位サロゲートは 0xD800-0xDBFF の範囲にあり、下位サロゲートは 0xDC00-0xDFFF の範囲にあります。

Wikipedia で調べると数式があります。

【Unicode】UTF-16 サロゲートぺア と コードポイント の変換
👉 Unicode - Wikipedia hatena-bookmark


code-point <-> surrogate-pair

これに合わせて Python コードにしてみました。


def cp_to_sp(cp):
    cp -= 0x10000
    hsg = cp // 0x400 + 0xD800
    lsg = cp % 0x400 + 0xDC00
    return hsg, lsg


def sp_to_cp(hsg, lsg):
    cp = 0x10000 + (hsg - 0xD800) * 0x400 + (lsg - 0xDC00)
    return cp

この関数を、みんな大好き絵文字「👍」で試してみます。


👉 GitHub Emoji Unicode Full Emoji List - shortcode | code point | escape-sequence hatena-bookmark

表にあるデータから、コードポイントとサロゲートペアのそれぞれの値を使います。


cp = 0x1f44d
hsg, lsg = cp_to_sp(cp)
print(hex(hsg), hex(lsg))
# 0xd83d 0xdc4d

hsg = 0xd83d
lsg = 0xdc4d
cp = sp_to_cp(hsg, lsg)
print(hex(cp))
# 0x1f44d

うまくいってます。

 

👍 まとめ

Unicode まわりは CJK のおかげでか、ややこしいことになってます。

UTF-16などのエンコード処理を扱う場合、コード内では「コードポイント」を中心にを進めると幸せになることがよくあります。


👉 Python vs Kotlin Unicode Escape Sequence (エスケープシーケンス) の記述 hatena-bookmark